-中小企業で唯一 SUUMO AWARD2年連続受賞の理由- 事業承継が転換期
「第二創業」という覚悟一事業承継が会社を変えた瞬間

「もしも、自分がいま転職を考えていたら、東京中央建物に入社したいか?」「もしも、知り合いが仕事を探していたら、東京中央建物を勧められるか?」
当社の代表取締役社長である三田正明が常務時代、自問自答してハッとした瞬間です。その答えは「NO」でした。アナログ思考、根性論、前時代的な慣習に縛られ、社員の平均年齢は49歳。若手は育たず、会社の未来図が描けない一。そんな危機感が、事業承継という大きな決断を後押ししたのです。
当社は1997年の創業以来、不動産業界で着実に成長してきました。しかし、バブル期の名残を色濃く残し、時代に取り残されつつありました。「このままでは会社に未来はない」。三田は2020年6月の幹部会議で「会社の若返りのために僕が社長をやる」と宣言。2021年4月に正式に代表取締役社長に就任し、「第二創業」を掲げて大胆な改革に乗り出しました。
私は経営企画室の一員として、この変革の現場を見てきました。数字で表れる業績の向上はもちろん、社内の空気感や社員の表情の変化を日々感じています。特に目を見張るのは、SUUMO AWARDを中小企業としては唯一、2年連続で受賞したことです。大手企業が名を連ねる中での快挙は、私たちの改革が着実に実を結んでいる証と言えるでしょう。
「未経験」を強みに一採用戦略の大転換がもたらした若返り

三田社長が最初に着手したのは、採用戦略の抜本的な見直しでした。それまでの経験者重視から一転し、「未経験者」を積極的に採用する方針に切り替えたのです。
「業界の常識にとらわれない、新しい発想を持った人材が必要だと考えました。そこで『第二創業のメンバーを募集します』『未経験歓迎』という明確なメッセージを前面に打ち出したんです」と三田社長は語ります。
あれもこれもとメッセージを詰め込むのではなく、「第二創業」「未経験」という二つのキーワードだけを強調したシンプルな採用戦略。これは三田社長が掲げる「ブランディング」の考え方が反映されています。自社の魅力や価値を言語化し、一点に絞り込む。そうして生み出された言葉の力が、優秀な人材を引き寄せたのです。
私が入社した際も、面接で三田社長から直接「この会社を変えたい、あなたの力を貸してほしい」という熱意あふれる言葉をかけられたことを覚えています。社長自らが面接に立ち、会社の未来を語る姿勢に、多くの応募者が共感したのではないでしょうか。
この新しい採用戦略によって、女性を含む20代の若手社員が次々と入社。社長就任前後で社員の平均年齢は4歳若返り、20代〜30代の割合は12.5%から35.7%へと大幅に上昇しました。若手の増加は社内に新しい風を吹き込み、古い体質からの脱却を加速させています。
「サーバントリーダーシップ」の実践一研修制度の刷新で社員が輝く場を創出

採用戦略の変更と並行して、三田社長は社内の制度や研修も大幅に拡充しました。それまでの研修体系を整理し、三つの研修制度を新たに確立したのです。
1. TCT ACADEMY:社内知識の共有を目的とした研修
2. CORE COLLEGE:ベテラン社員のノウハウを共有する隔週開催の研修
3. CULTURE MEETING:社員によるプレゼンテーションを含む全体会議
これらの研修制度の根幹にあるのは「サーバントリーダーシップ」の考え方です。サーバントとは奉仕者を意味し、社員の成功を後押しする支援型のリーダーシップスタイルを指します。
「一人ひとりが役割を持って、スポットライトが当たる、活躍できる場をつくりたかったんです」と三田社長。先頭に立って引っ張るタイプのリーダーではなく、社員の成長を支援する黒子のような存在を目指したのです。
特にCULTURE MEETINGでは、社員が自ら企画・プレゼンテーションする機会を増やしたことで、お客様への提案力やプレゼン力の向上にもつながりました。また、CORE COLLEGEでは小手先のテクニックではなく営業の本質を問う研修を行うことで、若手とベテランの融合を図っています。
社員はこれらの研修に参加し、成長の機会を得ています。特に印象的なのは、ベテラン社員からノウハウを学ぶだけでなく、若手社員からの新しい視点や提案が真摯に受け止められる風土が醸成されていること。世代を超えた相互理解と尊重が、風通しの良い社風づくりにつながっています。
若手社員の躍進一未経験からNo.1営業へ

新たな採用戦略と研修制度の相乗効果により、若手社員の活躍が目覚ましくなっています。2023年度の営業成績では、三田社長が採用方針を変えてから入社した1期生となる入社3年目の2名が、売上成績で1位・2位を独占するという快挙を達成しました。
1位となったのは平岡香織。営業未経験、業界未経験から入社し、わずか3年で社内トップの成績を収めました。「第二創業への期待感が入社の決め手でした。三田社長が会社を変えようとしていることが伝わり、自分もその一員になりたいと思いました」と平岡は語ります。
三田社長は平岡との初めての面接を今でも鮮明に覚えていると言います。「面接に入ってきた瞬間に『絶対にこの人に入社してほしい』と思いました。女性のリーダーとしてこの会社で活躍してほしいと伝えたのを覚えています」
未経験者が短期間でこれほどの成果を上げられた背景には、研修制度の充実だけでなく、若手の可能性を信じ、積極的に機会を与える三田社長の姿勢があります。従来であれば、若手はチラシ配りばかりで接客すらさせてもらえない環境でしたが、現在は入社から数ヶ月で実践の場に立ち、自らの力を試せる体制が整っています。
「若手が活躍してくれているのはもちろん嬉しいです。また自分たちが成果を残してくれているだけではなく、この会社の発展を願ってくれている、改革に賛同して会社の挑戦を応援し、協力してくれていることもありがたいなと思っているんです」と三田社長は嬉しそうに語ります。
音楽をキーワードにした新規事業一「RITMO the CONDO」が示す未来への展望

東京中央建物は既存事業の強化だけでなく、新規事業にも積極的に取り組んでいます。その代表例が、音楽を愛する人に向けた中古マンションのリノベーション事業「RITMO the CONDO(リトモザコンド)」です。
「RITMO」はイタリア語で「リズム」を意味し、音楽をキーワードにターゲットを絞ったブランディングを行ったリノベーションマンションシリーズです。個性を重視した内装の工夫、そして音楽愛好家のライフスタイルに寄り添った住空間を提供しています。
2022年にブランドがデビューしてからトライ&エラーを繰り返し、ノウハウを蓄積。今では「必勝パターン」とも呼べる成功モデルが確立されつつあり、新規事業としての成長が期待されています。
「RITMO the CONDOは会社の未来を担う商品です。最初はブランディングのコンサルタントに伴走してもらいながら進めていましたが、世界観を社員が理解し始め内製化が着実に進んできています」と三田社長は語ります。
「RITMO the CONDO」のプロモーションに関わった社内のメンバーたちは、この商品開発プロセスを通じて、ブランディングの重要性を体感することができました。会社全体をブランディングする経験があったからこそ、商品ブランディングもスムーズに受け入れられたのだと感じています。
三田社長は「RITMO the CONDOはまだまだこれからですが、東京中央建物の未来を担う自社ブランドに成長してくれると信じています」と将来への期待を語ります。
SUUMO AWARD2年連続受賞一お客様満足度向上の証

東京中央建物の事業承継後の改革の最大の成果として、SUUMO AWARDの2年連続受賞が挙げられます。接客満足度部門にて、大手が名を連ねる中、中小企業としては唯一、2023年に最優秀賞、2024年には優秀賞を受賞しました。
分譲マンションを成約したお客様からのアンケートに基づいて受賞が決定するこの賞では、「説明の丁寧さ」、そしてお客様の背中を押す「説得力」が高く評価されました。
受賞の要因として考えられるのは、事業承継にあたって未来を担う存在として入社した若手社員の活躍、それに刺激を受けたベテラン層の奮起、そして販売件数の増加です。東京中央建物では営業の決まったマニュアルなどは設けておらず、個性にあった多様な営業スタイルを許容しています。
それでいて研修制度では営業の本質を問い、プレゼンテーション力を磨く機会を設けることで、お客様への提案力を高めています。若手の活躍、研修制度の改革が、結果的にお客様の満足度アップにつながり、SUUMO AWARD受賞という形で実を結んだのです。
2年連続の受賞は、私たちの取り組みが一過性のものではなく、継続的な成果を上げていることの証明でもあります。社内では「常に進化し続けよう」という意識が高まり、さらなる顧客満足度向上に向けた取り組みが活発になっています。
ブランディングを軸にした改革一その先にある東京中央建物の未来

三田社長は就任前に社員の声に耳を傾け、多くの課題を抱えていることを痛感していました。「名ばかりの役職、自分の役割が分からない不安、評価基準の不透明さ、接客の機会がない、研修制度がない...」といった社員の「悲鳴」が聞こえていたと言います。
そこで目指したのは、「仕事に楽しさややりがい、誇りを持ってほしい、達成感や成長のプロセスを感じてほしい、たくさん稼いでほしいし、充実したオフも過ごしてほしい」という社員への願いでした。この思いを実現するために、三田社長はブランディングを軸にした改革を進めてきました。
オフィス改革、働き方改革、情報発信、DX、SDGsなど、多方面での取り組みが実を結び、直近10年では最高売上を記録するなど、目に見える成果が出始めています。特に働き方改革では、完全週休二日制の導入や残業時間の削減など、働きやすい環境づくりを進め、現在の月平均残業時間はわずか8時間まで減少しました。
「まだまだ道半ばです。やってきた施策を検証し、課題を抽出して、対策を考え実施する、PDCAの必要性を痛感しています」と三田社長。そのサポート体制として2024年に経営企画室を立ち上げ、経営の効率化と戦略立案を強化しています。
興味深いのは、三田社長自身も変化の象徴として自らの姿を変えたことです。社長就任の覚悟を決めたとき、まず取り組んだのは自身の「パーソナルブランディング」でした。「社長も変わろうとしている」ということを目に見える形で示すことで、社員の信頼を勝ち取りたいと思ってのことでした。
「会社を変えていきたいと思ったとき、誰よりも社長自身が変わろうとしていることを、目に見える形で示していくことが大切だと考えています」と三田社長は語ります。
結びに一事業承継という転換点が開いた新たな扉

東京中央建物の事業承継は、単なるバトンタッチではなく、会社の大きな転換点となりました。三田社長のリーダーシップのもと、採用戦略の刷新、社内制度の充実、若手の登用、新規事業への挑戦など、多角的なアプローチで会社の変革を進めています。
「不動産業界の常識にとらわれず、一人ひとりが輝ける会社をつくっていきたい」という三田社長の思いは、SUUMO AWARDの2年連続受賞という形で実を結びつつあります。
また、三田社長は先代である父への感謝も忘れていません。「社長になることを決意したとき、背中を押してくれたのは父でした。これまで東京中央建物を支えてきてくれた方々へのリスペクトと感謝を持ちながら、この会社をもっと良くすることで恩を返していきたい」と語ります。
事業承継を機に始まった「第二創業」の取り組みは、まだ道半ばではありますが、確かな成果を上げています。私たち東京中央建物は、これからも変化し続けます。
「社員は、ともに学び、ともに挑戦し、ともに喜び、ともに成長し合う仲間です。私たちの挑戦はまだまだ続きます」。三田社長のこの言葉に、東京中央建物の明るい未来を感じています。
2024年11月19日PR TIMES STORYを再編集
TIMES STORY:https://prtimes.jp/story/detail/bj4Z69fQE7x